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夢の古本屋さん。

鉄道が走りめぐる前の、町の中心が駅周辺ではなかった頃に栄えていた商店が、住宅街にひっそりと今も名残りを感じさせながらぽつぽつと存在している町はきっと日本中のあちこちにあるのではないでしょうか。


わたしの生まれ育った町もそうで、家の近所にはかつて、酒屋さん、八百屋さん、魚屋さん、生活雑貨や調味料などを揃える今のコンビニような雑貨屋さん、布団屋さんに米屋さんと、どんな商店もそろっていました。


その中に畳4、5畳ぐらいの、お店というよりは書庫のような、レジのカウンターも本に埋もれているような古本屋さんがありました。


両脇の壁に本棚がしつらえてあり、下段の前には文庫本や単行本が積まれていて、すっかり棚の中身が分からない状態だったような記憶があります。


レジのある棚の周りは要塞のように本が積まれていて、子どもでも気をつけて回れ右をしないとなりませんでした。


おこづかいを握りしめてたまに訪れ、難しい書名の単行本の山の中から、星新一や赤川次郎の名前を見つけだしては買いました。


その古本屋さんも、他の商店街の店舗と同じようにだいぶ前に閉店したのですが、そのお店がふたたび開店している夢をみました。


夢の話でごめんなさい。
でもとっても素敵な夢だったのです。


そのお店は、相変わらず間口もせまくて、外からは本で埋もれているように見えるですが、入ってみると奥にご主人と奥様の暮らす大きな古い家があって、和室には歴史を感じされる黒くなった木製の立派な本棚と、現実にはきっと存在しないのであろう、古くてめずらしい本がたくさん並んでいるのでした。


ご主人に、その本はいつの発行でどんな本だったのかという話を聞きながら、一体いくらで買えるのだろう、、、、と夢の中でも考ているのです。


今になって思い返してみるとその古本屋さんは、子どもでも読めるような本はとても安価に置いていたように思います。


そんなことを思っていると、七月堂古書部初代店長、田村治芳さんの、

「ささやかながら、未熟ながら、
 皆様の書棚となるべく奮闘努力いたしております
 探索書などがございましたら、かわっておさがしいたします。
 ぜひ一度おたちよりください、
 間口一間半、店の名前を七月堂。
 いつでもおこしくださいませ。」

という言葉が、ふわりと脳裏に色濃く浮きあがってくるのです。


すっかり忘れていたけれど、かつて通った小さな古本屋さんに、今になって教えてもらうことがたくさんあります。


今でもシャッターの閉められたままの古本屋さんの、奥にはたくさんの本が所狭しと立派に積まれている妄想は、本当にそうなのかもしれないと思っておこうと思っております。



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